キノコ狩りの楽しみ方


 キノコの見つけ方(森林別のキノコ)について記したページです。


 キノコの生えている場所は親子でさえ教えないといいますから、人に教えて貰おうという考えは通用しません。自ら現地で覚えた感と経験で探っていくところがまた面白いものです。

 キノコ狩りの第1歩はまず林を観察することから始まります。キノコは林の中の様々な木々と共生しています。まず木の種類をよく覚えましょう。

 木の種類ばかりでなく、斜面の向きが南か北か、西か東か、日陰か日向か、しめった土地か乾いた土地かなどによって生えるキノコの種類が変わってきます。斜面の向きをよく脳裏に入れましょう。

 また生えるキノコの種類は季節によって替わり、その時期の微妙な気温の変化が大きく左右します。

 さらに、その年の春から夏の天候状態の経過に大きく左右されます。夏気温が高かったか、低かったか、雨量が多かったか少なかったかなどで変わってきます。環境全体を観察しましょう。

 キノコたちは胞子で次の世代を引き継ぎます。キノコ狩りには竹で編んだ「びく」、または隙間がたくさん開いた入れ物を使いましょう。これなら山を歩くときに、胞子たちをまた森に返してあげられます。ビニール袋に詰め込むのはいけません。これは山のルールです。

 キノコは森の精たちです。森の精たちに遊んでもらうつもりで山に接しましょう。

 また、キノコを見つけることばかりに夢中になって歩き回ることは大変危険です。森はさまざまな動物の棲家でもあります。熊も住めば鹿も、いのししもその生活圏です。キノコ狩りにばかり夢中になっていると彼らの生活圏をつい侵すことにもなり、思わぬ事故に遭遇します。注意して周囲を観察すれば、彼らの生活の痕跡を発見できます。足跡、えさをあさった跡、排泄物などです。夜を過ごした跡には必ずいくつかの毛が落ちています。また木の幹に毛が引っかかっていることもあります。また木に登った跡は木の皮が爪ではがされています。樹皮をかじった跡、草の根を掘った跡も良く見られます。これらを発見したら、むやみに彼らの生活圏を侵さないことです。

 また、常に人間がいることを周囲に知らせることも大切です。それには携帯ラジオが優れています。二、三人なら常に声を掛け合って、存在場所を知らせあうことが大切です。

 また地形の確認は迷子にならないためにも、危険を避けるためにも大切です。常に周辺の地形を見渡して山の形や谷、沢の概略、太陽の方向と位置、山の北側にいるか南側にいるか、樹木の種類や生え方などをいつも観察しながら歩きましょう。


きのこの山に入るルール

風景写真

 山ならどこにきのこ狩りに入ってもよいと考えるのは間違いです。自由にきのこ狩りができるところは主として国有林です。

 綱や紐が張ってあったり、告知板があるところは各種団体や、個人の山林で 何らかの管理下にあり、財産権、つまり「きのこの採取権」が存在します。 多くはマツタケ山ですが、雑きのこの場合もあります。ですからそのようなところには入らないことです。
 これはきちんとルールを守って下さい。

 ある程度の標高があるところからは大概、国有林です。里に接したところはほとんど私有林か、 または組合管理の財産区、宗教法人の管理下にある森林です。
 組合管理の財産区や宗教法人の森林はある程度標高が高いところまで存在します。綱などの目印、または告知板が あるかどうかを事前に確認して下さい。告知板は入山路に存在します。


コナラやクヌギの雑木林

   
コナラやクヌギの雑木林        クリタケの群生

 ホンシメジ、シャカシメジ、サクラシメジ(あかんぼう)、シモフリシメジイグチ類など数え切れないほどの種類が発生する。
 同じ場所でも季節によって異なる種類のキノコが生えます。また同じ季節でもその年の気候によって生えるキノコの種類は違ってきます。
 夏ならアイタケ(ドヨウキノコ)、アミヒラタケなどサルノコシカケ科、キクラゲ科のキノコなど。
 秋ならクリタケ、コウタケ、サクラシメジ(アカンボウ)、ムラサキシメジ、スギタケ、ナラタケなど。
 晩秋ならエノキタケ、クリタケ。
 特に落ち葉上に生えるキノコは、去年ここにこれこれがあったからといって今年もまた同じものが見つかるとは限りません。枯れ木や切り株に生えるキノコは数年は同じ場所に同じキノコが生えることが多いのですが、これも枯れ木の状態とともに気候に左右されます。
 乾きやすい地面と湿り気の多い地面で、生えるキノコの種類が左右されます。


ブナ、ミズナラの雑木林

 ブナ、ミズナラの林に入ったら倒木、枯れ木、切り株に発生するものを探すのが良いでしょう。
 いずれも季節はで、ナメコ、ブナハリタケ、マイタケ、ヤマブシタケなど。
 地上の枯れ葉の積もったところには、広葉樹林に共通のキノコが生えます。例えばカヤタケなど。


マツ林

   
マツ林              マツタケ

 初夏から晩夏にかけて、いずれも地上に出ます。アカジコウ、アミタケ、オウギタケ、クギタケ、ショウゲンジ(コムソウタケ)、チチアワタケ、ヌメリイグチ(リコボウ)、マツオウジ、マツタケなどです。
 にはキシメジ、クロカワ、ケロウジ(コウタケ)(シシタケ)、アブラシメジ、ハツタケ、マツタケモドキ(ニタリ)など。


カラマツ林

   
        カラマツ林       珍しくカラマツの幹に生えたイグチ科のキノコ

 イグチ科が圧倒的に多い。ほとんどは地上に生え、枯れ木に生えるものは少ない。ヒノキなどの雑木が間にあって倒木している場合には下記のスギ・ヒノキ林に見られる色々なキノコが混生する。
 夏から秋にかけて、カラマツの切り株の根本か枯れ木上に発生するものにハナビラタケがある。クリーム色で花びら状の塊として見つかる。
 にはアミハナイグチ(アミタケ)、オトメノカサ、カラマツチチタケ、キヌメリガサ、シロヌメリイグチ(ジコボウ)、ハナイグチ(リコボウ)、ベニハナイグチ、ホテイシメジ。


スギ、ヒノキ林

   
スギ、ヒノキ混生林          シロナメツムタケ
 夏から秋に枯れ木上にニカワハリタケ(ネコノシタ)が、スギの根株や倒木にスギヒラタケ発生します。
 はナメツムタケがスギ、ヒノキ、カラマツなどの枯れ木とその周辺に群生します。


きのこの森に戻る