「キノコの中毒」

 キノコの中毒 


種類症状応急処置毒成分
ツキヨタケ食後30分から3時間後に下痢、腹痛、嘔吐など。
症状には個人差がある。
一般に24時間以内に回復することが多い。
多量の炭末や輸液の投与など。
イルージンSほか
胃腸に障害をもつ
各種成分
クサウラベニタケ食後30分から3時間後に下痢、腹痛、嘔吐など。
症状には個人差がある。
24時間以内に回復することが多い。
多量の炭末や輸液の投与など。
コリン、
ムスカリジン
カキシメジ食後30分から3時間後に下痢、腹痛、嘔吐など。
症状には個人差。
24時間以内に回復することが多い。
多量の炭末や輸液の投与など。
ほとんど不明。
ニガクリタケ 食後30分から3時間後に下痢、腹痛、嘔吐など。
症状には個人差。
24時間以内に回復することが多い。
多量の炭末や輸液の投与など。
ファッシュキロール
E,F
ハイイロシメジアルコールがいっしょに入ると
頭痛、めまい、嘔吐、呼吸が
苦しくなるなど悪酔い状態が現れる。
通常は自然回復を待つ。
後1週間はアルコールを禁止。
コプリン
(アセトアルデヒド
の分解を阻害)
ドクヤマドリ食後30分から3時間後に下痢、腹痛、嘔吐など。
症状には個人差。
24時間以内に回復することが多い。
多量の炭末や輸液の投与など。
毒成分は不明。
ドクササゴ数日たって指先が腫れる。
手足の先が熱を持ち、痛みが約1ヶ月続く。
ニコチン酸の注射や、腫れた部分
の血を出せば回復が早まる。
判明していない。
ベニテングタケ筋肉痙攣、精神錯乱、幻覚、視聴覚障害。
4時間以上続いた後、深い眠りに陥る。
吐剤アポモルヒン、下剤ペリスタルチン。
多量の炭末と硫酸マグネシウムを投与。
ムスカリン、
ブフォテニン、
イポテン酸
ドクツルタケ食後10時間後急に激しい嘔吐、下痢。
脱水症状が2日ほど続く。
重症の場合はチアノーゼを呈し
危篤状態になる。
胃内洗浄、血液透析。
チオクト酸の注射、ビタミンCと抗生物質の注射。
人参を最初の2日間食べさせる。
アマニタトキシン類
肝臓、腎臓に障害
する毒
コレラタケ食後5時間、嘔吐、腹痛、下痢。
脱水症状をおこす。2−3日は意識不明、
血圧低下、腎不全徴候。
吐剤、下剤を用いる。人工透析も。
チオクト酸の投与。軽症の場合は輸液、炭末、ひまし油投与。
環状ペプチド
と推察されている。
肝臓、腎臓の細胞核を破壊。
参考文献:大久保一海、小沢良行、他編、「長野県のキノコ」、上小食品衛生協会、上田市(1991.9.)

キノコの森ページに戻る